記念企画夢

□知らずに想いを募らせた二人
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俺と真白は、いつだって一緒だった。

それは今も昔も変わらねェ。

何処に行くにも必ず一緒で、どんなときだって仲がよかった。

周りから、恋人みてェだってよく言われたもんでさァ。

今だって時々言われまさァ。

ま、それくらい俺と真白は仲がいいんでさァ。


けど俺ァ、気づいちまったんでさァ。

真白が好きだってことに。

兄妹だから、それはあってはならないことなのに――。


想いは、止まることをしらないかのようで。




好きって言いそうになるのを抑えるのは、大変なモンでさァ。

だって半無意識的に言っちまうから、常に気をつけてないといけねェんですぜ?



「真白」

『ん……』

「真白、起きて下せェ」

『ん……?』



何故かいつの間にか、俺の足の間で右を向いて、足を俺の右足の向こうに、上から出して眠っていた真白。

よくあることでさァ。


だけど――最近は滅多になくなった。

俺が真白を好きだって気づいた頃から、自然と互いに離れていっちまった。


だから最近は話すことも少なくなったし、一緒にいることもかなり減ったんでさァ。



「真白、真白、起きて下せェ。もう5時、夕方ですぜ?」

『ん……。に、い……?』

「起きやしたか?真白」

『ん、たぶん』



真白はまだ眠そうだ。

もうすぐアニメの再放送の時間だってのに。


眠そうに目をこする真白は、俺にもたれかかってきちまった。

あんまり長くは一緒にいたくねェのに、ですぜ?



『兄』

「なんでィ」

『最近私、兄のとこ行かないね。兄も私のとこ来ないね』

「そうですねィ……」



真白は何が言いたいんでさァ?

わからねェ。

今そのことを言って、どうしようってんでィ。


俺ァ天井を見上げて、真白から目を逸らした。

真白を見てたら、やっぱ“好き”って言っちまいそうで怖いんでさァ……。



「真白ちゃん、そーちゃん。今、いいかしら?」



俺も真白も、何も喋らずにいると、姉上が来た。

真白はゆっくりと身体を起こし、俺の左隣に正座した。



『どうなされたのですか?姉上』

「貴方たちにお話しておかないといけないことがあるの」



俺ァ視線を姉上にやった。

姉上は静かに目を閉じている。

真白は姉上をじっと見つめてる。



「真白ちゃんは16歳、そーちゃんはもう18歳になったわ。二人とも、もう結婚出来る年齢だし、大きくなった」

『姉上……?』

「だからきっと、わかると思うの。今から私が話すこと、よく聞いて」



真白は、はいと言って、俺ァ頷いた。



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