記念企画夢
□好きだと言えた。
1ページ/2ページ
最近、妹の真白の様子がおかしいんです。
よくボーっとしているし、誰かの名前を呟いたりしていて、とにかくおかしいんです。
ラビや神田から見ても、明らかにおかしいみたいです。
真白の友達に知っている限り当たって、真白がどうしたのか訊いてみても、みんななにも知らないとかわからないって答えて、結局なにもわからずじまいですし。
僕はどうしたらいいんですか……?
心配で心配で、夜も寝られませんよ。
僕は今日も、ベッドの中で目覚めた。
隣には妹の真白が、まだ眠っている。
そんな真白を起こさないようにベッドを出て、僕は団服に着替えた。
『おはようございます、お兄ちゃん』
「あ、おはようございます、真白」
部屋を出ようとすると、後ろから真白の声が聞こえたから、振り返ってみると真白が起きていた。
『何処へ、行かれるのですか?』
「食堂です。お腹、空いちゃいまして」
『あまり食べ過ぎないで下さいよ。
お兄ちゃんに限ってないとは思うけど、食べ過ぎで死なれるのは困ります』
「わかってますよ。いつも心配してくれてありがとうございます、真白」
まだ少し眠そうにしながらも、僕の言葉にニコッと笑ってくれた真白に、僕は胸が高鳴った。
いつの日からか芽生えた感情。
あってはいけないと、必死で否定し続けてきた。
真白のことがいつも頭に浮かぶのは、真白が妹だから。
気づけば真白方へ視線が行っているのは、真白が心配だから。
そんな風にして、誤魔化してきた。
「おばちゃん、いつも通りでお願いします」
「はいよ!」
料理が出来るのを待ちながらボーっとしていると、ラビや神田たちに続いて真白も食堂に入ってきた。
『おばさん、私もいつも通りでお願いします』
「はいよ!」
一番あとに入ってきたにも関わらず、一番初めに真白が注文をした。
「おはようさ、アレン。真白は前と変わらずおかしいまま、か?」
「おはようございます。なにも変わりませんね、おかしいままです」
小声で話しかけてきたラビに、小声で返事をする。
その場で真白を、視界の中に入れた。
見た感じは普段と変わりない。
ただ唯一違うのは、瞳。
何処か遠くを見ているような、哀しそうな、そんな感じの瞳をしている。
『お兄ちゃん』
「どうしました?」
『お話、したいから、ご飯食べ終わったら部屋に戻ってきて下さい』
「……わかりました」
僕が食べる量より、何十倍も少ない量のご飯をお盆に乗せて持ち、僕に言った。
返事を聞くとすぐに、空いている席へと歩いていった。