記念企画夢
□そう言ったら君は
1ページ/2ページ
真白と血が繋がってねェってことはわかってた。
真白は知らねェだろうから、そのことは隠してきた。
そんなある日、俺は気づいちまったんだ。
俺の中にある、一つの大きな想いに。
――真白が好きだ。
隠さなきゃいけねェと思った。
だから、真白から離れようとした。
冷たい態度を取って、真白から離れていくようにもしかけてみた。
だけど、俺の傍を離れようとはしなかった。
いつまで隠し通せるか、それは俺の精神次第。
いつからだっただろうか。
真白と血が繋がっていないことを知り、真白を好きだと悟ったのは。
その頃から俺は真白に、血が繋がっていないことがバレないよう、好きだということがバレないように、真白を遠ざけてきた。
その甲斐あってか、昔のように、いつだって一緒にいることは少なくなった。
『兄ちゃん!』
「……真白か」
真白を遠ざけるために、どれだけ真白に冷たい態度を取っても、真白は俺の傍から離れることは決してなかった。
寧ろ、俺が遠ざけようとするにつれ、昔以上に一緒にいようとする。
『真白かってなによ、私で悪かったわね。美人さんがよかった?もっとこう、ほら、スタイルよくてさ可愛くてさ、モデルさんみたいな』
「そっちの方がよかったかもしんねェなァ」
んなことねェよ、真白でよかった。
真白じゃねェと嫌だった。
そう言いそうになる口を抑えて、わざと思ってもいない冷たい言葉を真白に放つ。
『わ、兄ちゃん酷っ。まぁいいや、兄ちゃんも男だし。そうだよねー、やっぱ男は私みたいなのより、モデルさんみたいなのがいいよねー』
俺に返事か同意を求めているのか、単に一人で呟いているのか否か、わからない口調でみずきは言った。
自分を納得させるような、そんな言い方にも聞こえた。
真白と俺の部屋に、二人きり。
真白を襲いたくなる衝動を、必死に抑える。
「真白」
『ん?』
「マヨネーズ、買ってきてくれねェか?」
『お安い御用♪あとでお金請求するからねっ』
すくっと真白は立ち上がると、俺の部屋を出ていった。
俺に、満面の笑みを残して。
きっと真白は……自分のスタイルのよさに気づいてねェ。
真白はモデル並にスタイルがいい。
足はすらっと綺麗に伸びてるし、胸はあるしウエストは締まってるし。