記念企画夢
□そう言ったら君は
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真白について色々考えを巡らせているうちに、真白は俺の部屋に戻ってきた。
『お待たせ。どのくらい買えばいいのかわかんなかったから、適当に買ってきたよ。請求は自分の部屋に戻るときにしようかな』
「サンキュ」
真白はまた俺に、笑顔を見せた。
あれだけ冷たい態度を取って遠ざけようとしたのに、どうして真白は、俺の傍で笑ってられるんだ……?
『兄ちゃん……一つ、二つかな?話、してもいい?』
「好きにしろ」
俺の隣に、真白は座り直した。
いつものように綺麗に正座をして、腕が触れ合いそうな程近くに寄ってきた。
理性を保つことで、精一杯だ。
でも、真白の話はちゃんと聞かねェと……。
『兄ちゃんは、知ってるよね。私、兄ちゃんと知が繋がってないってこと、知ってた』
「知ってた、のか……?」
『うん。いつ、どこで、どうやって知ったのかは覚えてない。だけど、知ってたの』
驚きの余り、吸おうと手に取った煙草の箱を落としちまった。
煙草の箱を落としたと同時に、驚いた表情をしてるだろう顔を、真白に向けた。
『ねぇ、好きだよ、兄ちゃん』
「真白……?」
『兄ちゃんと血が繋がってないって知った頃から、ずっと好きだった。だから私は、そのことを隠す為に、どれだけ兄ちゃんに冷たくされても、ずっと傍にいた』
「俺ァ……」
何故か一瞬、俺は躊躇ってしまった。
真白に想いを告げることを。
真白は俺に、想いを告げてくれたのに。
『兄、ちゃん……?』
「俺も好きだ、真白」
気づけば腕が勝手に真白を抱きしめていて、口が勝手に動いて想いを伝えていた。
自分のその行動に驚いたけれど、真白にバレないように腕の力を強めた。
「俺が真白に、冷たい態度を取って遠ざけようとしてたのは、真白が好きだったから。それを隠そうとして、離れようとした」
『……ありがとう、兄ちゃん』
そっと真白を離し、そっと両手で真白の頬を包むと、そっと真白の唇にキスを落とした。
しばらく俺と真白は、部屋に二人、甘い時間を過ごしていた――。
きっと俺は、今まで真白に冷たくしてきた分、これからは真白に、コレ以上ないくらい優しくするだろう。
いつだって彼女として特別扱いをし、なにをするにしても真白を優先するだろう。
周りからなにを言われたってかまやしねェ。
だって俺は今まで、真白に冷たくしてきたんだ。
そこらのモデルなんかより、真白の身体の方がいいんだけど。
そう言ったら君は、顔を真っ赤にして、俺の胸板に顔を埋めた。