記念企画夢
□隣で眠るのは昔から
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昔から、俺の隣で寝ていたのは真白だった。
いつだって隣には真白がいて、真白が隣にいねえ日なんて一度もなかった。
真白も俺も、まだ幼かったときだって、お互い高校生になった今でも、だ。
真白も俺も、必然的に大人になっていくわけで、真白はすっげえ女らしくなった。
今まで何人もの男に告白されたらしいし、真白が歩いてれば、視線が真白に集まる。
12月の末が近くなってきたある土曜日のこと。
相も変わらず真白は俺と同じ布団で、もちろん隣で寝ている。
隣というか、俺の腕の中で、だ。
目が覚めてみると、腕の中で真白がスヤスヤ寝ていた。
『兄ィニィ……?』
ついさっき起きたばかりの真白が、余りにも可愛すぎて、俺は欲が抑えられなくなって、思わず押し倒しちまった。
真白はといえば、状況は理解できているみたいだが、驚いている。
……無理もないか。
「真白」
『なに?』
「好きだ」
『……私も、好き』
俺が好きだと言うと、案外あっさり答えが返ってきた。
こう、もっと驚いて、考えてから答えがくるのだろうと俺は想像していた。
真白と目が合った。
真っ直ぐな目で、真白は俺を見る。
なにかを訴えているというか、なにかを求めているというか、そんな感じの目にも思えた。
「真白」
『今度はどうしたの?兄ィニィ』
「食っても、いいか?」
『兄ィニィなら……修兵なら、いいよ』
返事を聞くと、俺は真白にキスを落とした。
いただきます、と言ってから、俺は真白に深くキスをした。
真白は拒まずに、素直に受け入れてくれた。
あれから俺は真白を食って、俺だけのものにした。
真白は、物心ついて色々考えるようになったくらいから、俺と血が繋がってねえんじゃねえか、って感じてたらしい。
敢えて口に出さずに、俺を兄として過ごしてきたって言ってた。
俺も似たようなもんだ。
その日、やっぱり真白は俺の隣で眠った。
理由を訊けば、俺の隣が一番落ち着いて眠れるから、って理由だそうだ。