記念企画夢
□「デートのお誘いに来たんだけど?」
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朝の三時なんていう時間に家のチャイムが鳴った。昨日の夜余りにも眠すぎて九時に寝たからよかったものの、これで十二時や一時に寝ていたら私は完全に無視をして寝ていただろう。寝癖も直さないままがちゃり、と扉を開けると立っていたのは見慣れた服に身を包んだ坂田銀時。
『おはよう、銀時』
「はよ、真白」
『どうしたのこんな時間に』
「あぁ、ちょっとな」
言葉を濁す銀時に私は欠伸を一つ。六時間しか寝ていないというのは日頃睡眠不足の私にとっては比較的致命傷だ。休みの日はいつもお昼頃まで寝ている。眠い目を擦ってから銀時を見上げると銀時は余所を向いていた。もう一度欠伸をした。
『……何?』
「その、だな、真白、あー……、朝陽でも見に行かねェか?」
『どうして?』
「あーもー、だから、デートのお誘いに来たんだけど?」
真っ赤になりながら言う銀時がおかしくて、愛しくて、思わずくすりと笑ってしまった。そうしたら銀時は更に頬を赤く染めて鼻の頭を指で掻いた。銀時を見つめていると不意に目が合った。
「来てくれる、だろ?」
『もちろんよ』
「さんきゅ」
『銀時からの初めてのデートのお誘いだものね?』
私の言葉に銀時は耳まで真っ赤にして、それを隠すように私にキスをしてきた。その後、私は身支度をして銀時と共に朝陽を見に行った。四時頃には赤とオレンジの混ざったような色をした月も見ることが出来た。