成人式、というものが終わって、家で真白と二人、小さな宴会を開いていた。袴姿を真白にやたらめったら褒められて照れていると、真白はしてやったりというような表情をしていた。色々と話していると次第に過去の話へとなっていった。
『付き合いたての頃に、大喧嘩したの覚えてる?』
「忘れるわけがねェでさァ。みずき、瞳孔開けてめちゃくちゃ怒鳴ってやしたからねィ」
『そうそう。確か原因は……』
「俺が持ってた刀を使おうとしたこと、だったな」
あの時の喧嘩が一番でかい喧嘩だったな、と呟く。真白もそれに頷いた。他にも何回も喧嘩したけれど小さなことすぎてはっきりと原因までは覚えていない。ふと真白が、あぁそういえば……と口を開いた。
『本気で別れ話、したこともあったよね』
「あらァ真白が原因ですぜ」
『うん。いつか総悟が元の世界に戻るのが怖くて、ね』
「今はもう、怖くはねェのか?」
また会えるって信じてるから、と真白は笑った。淋しさは全く感じない。真白、と名前を呼んでキスをした。酔いが回ってきているのか少し深いキスをするだけで互いに息が上がった。それでも宴会は、続く。