My happiness, your happiness

□08
2ページ/2ページ




万事屋メンバープラス一人で祭りを楽しんでいた。

と言っても俺は少し別だけど。


茜はわたあめとか、フライドポテトとかカキ氷とかを食べたり、店の人に少し怯えながら、だけど、スーパーボールすくいとかをしたりしていた。



「もうそろそろ花火、上がるんじゃないかしら」

「そうですね、移動しましょうか」



志村姉弟が言う。

俺らは人が沢山集まる夜店の並びから、場所を移動した。

毎年見ている絶好の花火スポットへと。


其処はほとんど誰もいない。

その上、花火が綺麗に見える。

だからから花火を見るのにいい場所だ。


その場所に移動して少し話をしていると、ヒュルルルルルーパァァンという、花火独特の音が聞こえてきた。

その音とともに、空が明るくなった。



『うわぁ、綺麗……。妙ちゃん、あれが花火?』

「ええ、そうよ」



花火が次々と夜空に咲いては散っていく。

夜だってのに、空が明るい。



『銀時!花火むっちゃ綺麗やな!』

「そうだな」

『来年も、このメンバーで絶対来よな』

「ああ」



茜は祭りと花火が至極気に入ったらしい。

目を輝かせながら花火に見入っている。



「茜」

『ん?』

「初めての祭りはどうだったよ?」

『むっちゃ楽しかった!花火も綺麗やったし♪』

「そりゃァよかったぜ」

『うん!』



祭りも終わり、花火も全部打ち上がった。


その帰り道。

茜に問うと、すっげェ明るい声で答えが返ってきた。



「銀時んとこの女……茜か。ククッ、これからが楽しみだぜ」



俺らが楽しく話をしながら帰っている最中のこと。

とある路地で高杉が、俺らを見てそんなことを呟いたなんて、誰一人として、知らなかった。



祭りだったってのに、高杉が来なかった。

珍しすぎる。

どういう風の吹き回しなんだろう。


高杉が祭りで暴れなかった。

それは裏を返せば、これから酷く暴れるということに繋がる。

今まで以上に警戒しないといけねェ。


茜のことだから、一人で外を歩くなんてしねェだろう。

けどなにかあってからじゃ遅い。

先に注意しておかねェといけねェ。

一人で出歩くなと。




事態は悪化する?……事態は、悪化しちまう。

何故かこれから、そうなることの予想がつくんだ。






(2009.07.23)


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ