復活

□責任の取り方
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一、放置

二、とりあえず中へ

三、保健室へ

四、無理矢理起こす


もし自分が入りたい部屋の扉の前に人が座り込んで眠ってたら君ならどうする?

上の四つから選んでよ。ま、興味ないけど。


放課後、学校に戻ってきて、応接室に入ろうとした僕はため息をついた。



「ねぇ、邪魔なんだけど」

『ん』

「咬み殺すよ?」

『ん……?』



応接室の扉の前で眠ってる女の子。

何を言っても起きないんだよね。


しゃがみ込んで顔を覗き込むと、学校一の眠り姫、華紀真白だとわかった。



「真白」

『ん……』



名前を呼んでみると、真白は瞼を開けた。

どうやら名前に反応するらしい。

真白はおもむろに立ち上がると、応接室の中に入った。

ソファにぶっ倒れる。



「はぁ……」



とりあえず仕事に支障は出なさそうだったから、僕は真白をそのままにしておくことにした。

実際、真白はずっと眠ったままだったから、全く仕事に支障は出なかった。



「真白」

『ん』

「起きないと咬み殺すよ?」

『ん……』



うっすらと真白は目を開けた。

少し目だけを動かすと、すぐに視線を元に戻した。


しばらくして、少し覚醒してきたのか、真白は目をこすりながら身体を起こした。



『此処は、応接室?……あれ、雲雀さん、どーしてここに……?』

「どーしてって、それこっちの台詞なんだけど」

『私……?確か、凄く眠くて、何処かで力つきたんですよね。それが応接室?』



自分にもわからないって感じだね、真白は。

僕はまたため息をついた。


幸せが逃げるって言われてるみたいだけど、気にしない。



「ねぇ真白」

『はい』

「僕の邪魔した分と応接室に勝手に入った分、どう責任取ってくれるの?」

『雲雀さんは、どう取って欲しいですか?』



質問返しなんていい度胸してるね、って言うと真白は、そうですか?と疑問文で答えた。


真白は小さく欠伸をした。

僕は真白の隣に座る。



「奴隷になりたい?」

『それはヤです。彼女になるくらいならいいですけど』

「……仕方ないからそれで一つはチャラにしてあげるよ。もう一つはどうしてくれるの?」

『ふぁ〜……そうだなぁ』



真白は眠そうだ。

一体どれだけ寝れば眠くなくなるんだろう。


廊下から聞こえてくる五月蝿い声は、きっと群れてるんだろうね。

咬み殺しに行きたいところだけど、生憎今は真白がいるからあとでにしよう。


「ないならかr『ダメですって中学生が不純なっ!せめて高校生になってからです!』

「じゃあこうしようよ」

『ふえ?』



ちょうど僕の方を向いたみずきに、キスをする。


唇を離すと真白は、とても驚いた顔をしていた。

しかも固まってる。



『……な、なにするんですか雲雀さんっ!』

「今はこれで許してあげるよ。もちろん利子付きでね。高校生になったら、利子分と併せて責任取ってもらうから。忘れないでね?」

『はう……。あの、なにで責任……』

「そんなの決まってるでしょ?真白、わからない?」



僕の目を見た真白は、ため息をついてすぐに、わかりましたと言った。


これでわからないって言ったら、二倍で責任取ってもらうつもりだったんだけど。







(2009.02.16)


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