近土(近)中心短編

□貴方の好きな所
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俺が近藤さんを好きな所@

お人好しなとこ


2人で巡回に出ると様々な人間に出会う。例えば道が分からない様子の婆さんに話し掛ける近藤さん。

大抵は上手く説明出来ず結局は婆さんの目的地にまで付き合う始末。勿論、荷物など持っていれば持ちますと言って持つのは当たり前で。

そういうとこをサラッとやってのけるから俺は呆れ口調で後で近藤さんに色々言うも本当は凄いなと毎回感じるんだ。照れ臭いから絶対口にはしねぇけど…。

ほら、今も俺の前を世間話しながらよぼよぼな爺さんの荷物をしっかり持ってターミナルまで案内している。

その後ろ姿を眺めながら俺は静かに笑った。





俺が近藤さんを好きな所A

仲間想いなとこ

俺を始め隊士の殆どがインフルエンザにかかって倒れた時。
それはもう体に良い食料を買い込んで食堂のおばちゃん達からのレシピを貰い夜遅くまで1人で奮闘し作っていた。
その姿はまるで母親みたいで微笑ましい様子に見えた熱にうなされながら笑ったら笑うなよと複雑な顔された。

自分で起き上がろうとするもダルさであまり力が入らず近藤さんに支えてもらう形となる。
恰好悪いなと思いながらも近藤さんだけには弱さも何もかもさらけ出す俺は心底この人に惚れているんだと自覚する瞬間だ。

だけど俺以外の隊士達の所へ行かなきゃならねぇのは分かっているからもっといて欲しいと思っていても俺は近藤さんを大丈夫だからと部屋から追い出した。
その時に悪いなと俺の頭を優しく撫で一言残して行く。

現場でもアンタの仲間を必死に守ろうとする姿、こうして仲間の為に飛び回っている姿に皆着いて来るんだ。

そのデカくて広い背中に…暖かさを感じて…な?
勿論、この俺も…いや、多分それ以上に…。





俺が近藤さんを好きな所B

笑顔

近藤さんの笑顔はいつも俺らを眩しく照らす太陽だ。あの人の笑顔を見ない日は無い。いつだって心が暖かくなり如何なる時でも前向きになれるんだ。
毎日その笑顔を愛おしく思うんだ。
俺らは一応付き合ってる仲だがその時ばかりはアンタを何処と無く少し遠い存在に感じちまう。

でもな?

俺だけにしか分からない笑顔で名前を呼ばれる時はこの上ない幸せな気分になっちまうから本当に単純だなと思う。


「トシ」


今日も笑顔で呼ばれる近藤さんの声に俺は不器用ながらも精一杯微笑んで見せた。




纏めて言えば俺が近藤さんを好きな所は…良くも悪くも全てっつー事だ。





終わり

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