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□幽霊と一緒
〜幽霊に恋した男〜B
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幽霊と一緒
〜幽霊に恋した男〜B



取り敢えずトシに受け入れてくれた事に俺はホッとする。幽霊らしくも無くこんなおちゃらけた自分の性格が幸いしたのかもしれない。

だからこれからはいつでも気兼ねなくトシと沢山話しが出来ると思ったら凄く嬉しくて堪らなかった。
けど他の住人達のいる時とか自分以外の前に現れるなと半ば一方的に約束させられ少し寂しいような気もしたが折角住んでくれた人達や他の皆を怖がらせてしまってはトシが困ると思い了承した。

トシを小さな頃から見て来てずっと話す機会を伺ってた、物陰からそっと彼に見つからないように…。


両親の愛情を一杯に貰い育って来たトシ…時には両親とぶつかったりした事もあったようだったけど優しくて良い男に成長したなと思った。
トシの両親がこのまま生きていたのならトシが二十歳になったのを見計らって成仏しようと思ってたのに…それも出来なくなっちまった。

だって両親の遺影の前で俯いてたトシの後ろ姿は凄い寂しげで儚く感じちまったから…傍にいてやりたいって思っちまったから…。

話せるようになった。
だから堂々とトシの傍にいて守って行くんだ!


「近藤さん…で良いんでしたっけ?」

「あぁ、近藤さんで良い!だけど敬語は無しな?生きてりゃ一応お前より20以上も上だがこんな形だし気軽に普通に呼んでくれ」


平日の管理人室で話し掛けられ俺はにっかりと笑って見せトシの肩にポンッと触れた。


「…あ、あぁアンタがそう言うなら…つか、何で幽霊なのに俺の肩掴めるか気になってんだけど…昨日俺の口を手で塞いだのだってそうだ…」


俺が触れてる肩を見つめながらトシは尋ねる。俺はアンタに触れられ無いのになと呟き不思議そうに俺の腕を掴もうとして通り抜けさせて見せた。


「さぁな…俺も今初めて気付いた」


そういえばリアルにトシに触れられるなと肩に置いた手をそのまま頭に置きクシャリと撫でた。


「な、撫でるんじゃねェよ!」


俺の手を振り解こうとするも通り抜けるだけでそれは空振りになる。あまりにもムキになってるのを見て可愛いなと思いつつも嫌われてしまうのも嫌で手を下ろした。
まだガキだったトシを抱っこ出来なくて死んじまった事を悔やんだ俺だったけどこれからはこうして触れられる事に俺は心弾ませていた。




Cへ続く

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