dream

君と僕と日常
1ページ/1ページ




「お昼だね」

「そうだね。食べようか」



「ところでさ、昨日犬を見たんだ」

「へぇ。どんな?」

「ちっちゃくて、毛が薄い」

「…毛が薄い?」

「あぁ、もう生えないだろうなアレ。かっわいそうに」

「…なんだ。今度は何やらしたのおじさん」

「勝手に通販で育毛剤を買ったのさ」

「あれ、それだけ?」

「いや、それがどこをどう間違えたのか20個も届いた」

「えぇ…」

「それで母さんが怒って」

「おじさんも懲りないね」

「な。もう諦めた方がいい、もう生えてこないって」

「そこじゃないよ」

「怒られてる姿はまさに犬だったね。僕には耳が見えたよ」

「…で、今日のおじさんへの仕打ちは?」

「あぁ、これさ」パカ

「お弁当…おかずが二段…?」

「つまり、父さんはご飯2段」

「それはきついね」

「でもまぁ、仕方ないだろうな」

「20個だもんね」

「あぁ。
ところで、君に頼みがあるんだけど。」


「なに?」

「ご飯、分けてくれないか」



-------------------------

家近所の幼馴染。


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ