バレーボーラーの彼らにお誕生日を祝われましょう。
(菅原くん ver)




友達と廊下を歩いていると、私の教室の前に灰色の髪をした彼が立っているのが見えた。わざわざ3年生が1年の教室に来るだなんて、月島くんや山口くんに急ぎの用事でもあるのだろうか。

『菅原さん』
「あ、おはよう!」
『おはようございます!月島くんたちですか?』
「あ、ううん。君を待ってたんだ」
『え?私ですか?』
「うん。あのさ、お誕生日おめでとう!」
『ありがとうございます!』

わざわざそれを言いに来てくれるなんて、やっぱり菅原さんは優しいなあと感動していると、ちょっと後ろむいて?と菅原さんに肩を掴まれて、くるりと向きを変えられる。すると、首もとにひんやりとした感覚とともに、少しの重みが加わった。

『えっ、あの…菅原さん?』
「迷惑かなとも思ったんだけど…すごく君に似合うと思ってさ」
『へ、迷惑だなんて、そんな…!すごく嬉しいです』
「喜んでもらえて良かった」
『あの、ありがとうございます!』
「こちらこそ!やっぱり、すごく可愛いや」

菅原さんに着けてもらった首もとのネックレスをちらりと見ると、ピンクゴールドの上品なチェーンのトップに、小さなリボンがきらりと光っていた。派手すぎないのに存在感もあって、制服にも私服にもとても合いそうだ。

『でも…こんなに良いものをいただいてしまって…』
「気にしないで!俺の気持ちだからさ」
『えっ、でも…』
「じゃあ今度、私服にそれ着けたとこ、見せてよ!」
『え?あっ、はい…!』
「じゃあまたあとで連絡するな」
『はい!ありがとうございました!』

ひらひらと手を振る菅原さんの後ろ姿に見惚れてしまった。友達につんつんと頬っぺたをつつかれて我に返ると、さっきネックレスを着けてもらったとき菅原さんに触れられた首もとがかあっと熱くなった気がした。

「菅原先輩、かっこよかったね」
『う、うん…!』
「デートのお誘いまで受けちゃって!」
『で、デート…?! 』
「本当、王子様みたいだったわ!」
『あ、うん、本当に…!』

少し落ち着いて周りを見ると、クラスの女の子たちもきゃあきゃあと騒いでいた。あの先輩彼氏?!なんて、質問攻めに合ってしまって、すごく恥ずかしくて夢かと思ったけれど、首もとを触るとしっかりとネックレスがあって、ああ、夢じゃないんだなあ、なんてあまり回らない頭で考えた。




(菅原さん、本当にありがとうございます!)






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