Memory
□薫
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「薫
俺を抱いてくれ!」
俺が部屋に帰るなり
後ろから抱きつき甘えた声を出す俺の恋人
「なに馬鹿なこといってるんだ?」
コイツは
昔から心臓が悪くて過度な運動をするといつ心臓が止まってしまうか分からない状態だ。
だから今まで散々我慢してきた。
本当はめちゃくちゃになるくらい愛し合いたかった。
いますぐ
人の温かさがほしかった。
だからかな?
俺がそのことしか考えてなかったから
お前が「お医者さんがもうほとんど直りかけてるから大丈夫だって言ってた」って下を向きながら言った言葉を真に受けてしまったのかな?
心はいつも嘘をつくとき下を向くって知ってるハズなのに、気づけなかったのかな──・・・。