silver-soul
□未定
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膨大な仕事が終わり、自室で休んでいた。
手持ち無沙汰に自然と煙草を探す。
「あれ...無ぇや...」
煙草を切らせていたことを思い出した。
「めんどくせぇなぁ」
やっと仕事が終わったのだ。
連日の疲れから、今動きたくはない。
とりあえず引き出しを探してみる。
「やっぱねぇよなぁ..んっ?」
奥に何かある。
手探りに出してみると懐かしい物が現れた。
「まぁ似たようなものだけどよ...」
それはかなり昔、ある男に貰ったものだった。
懐かしい記憶が蘇る。
(必ず迎えに行くからよぉ)
あれから何年経っただろうか。
「あいつ...
覚えてんのかなぁ。
さすがに忘れてるよなぁ..」
子供の頃出会ったあの男。
手配書を見て生きていたのだと知った。
片目は隠れて見えなかったが、間違い無い。
「俺のことも忘れちまったのかよ...」
そのまま畳に横になった。
忘れよう。もう子供では無いのだ。
気づくと雨の音が聞こえていた。
いつ降り出したのだろうか。
雨音を聞いていると次第に眠気が襲ってくる。
行儀悪く引き出しを足で閉じ、もう一度目を閉じた。