07-GHOST(危)
□2人の苦悩は共鳴し・・
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目が覚めると、そこはハルセの腕の中だった。
「お目覚めですか。クロユリ様」
ハルセがやさしく声をかけてくる
「・・・ここは?」
「ガレージです。先ほどまでの雨も止んで、気持ちの良い風がふいてきたので」
と言いながら、今度はその風を気にかけ部屋の中へ入っていき、僕をおろすハルセ。
「ありがと・・・今日の仕事は?」
「はい、書類が20枚ほどあります」
席にむかう、机にはもう書類が用意してあった。
「失礼します」
ハルセが席をはずす。おそらく、僕の飲み物をとりに行ったのだろう
背もたれによりかかり、天を仰ぐと天井の豪華すぎるがらが目にはいった。
明かりに反射し、キラキラと光るそれは少しまぶしかった
「クロユリ様、お飲物です。先ほどカツラギ大佐が地方の有名どころのお茶の葉を下さったので、そちらを使わせていただきました。」
ハルセはそっと僕の机に湯のみを置いた
「ハルセありがとー」
お茶はいれたてのようで、まだ湯気が立っていた
一口飲むと、体が温まった。
あたたかい・・・・まるで・・ハルセみたいだ・・
「もういいよ、はずしてて」
「はい」
書類にむかい、ハルセをはずさせる
書類には隙間なく文字がならんでいる
そんな紙に目を通しながらボーっとハルセのことを考える
ハルセは本当に忠実でやさしい
そして温かく僕をつつんでくれる
周りの気味の悪い大人たちの強い欲望の感情や、僕自身に注がれる非難から僕を解放してくれる
だから
いつまでもそばに
どこまでも一緒に
・・君をはなしたくない