07-GHOST(危)

□強い想いは刃となり・・
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・・・アヤナミ参謀部直属部隊仕事部屋


「どうぞ少佐、こちらが溜まりに溜まった書類の全てです。」


 (ドサッ)

少佐の机を埋め尽くさんばかりの書類の山…


・・にしても

「よくもここまで溜め込みましたね・・・」


「ぅわ〜、ホントにすごいねぇ」


「しっかり終わらせて下さいね」


理由をつけていつも少佐は逃げるから、当然どんどん書類は溜まるわけだ。


自分の行いのせいで苦しむ少佐を横目に、給湯室に置いてあるティーパックを適当に取り紅茶を入れる。


音をたてないよう注意しながら、少佐の机にカップを置く。


・・・俺も自分の仕事をするか


自分の席に着き、書類に目を通す


 (しーん・・・)



・・・・・・・静かだ・・・


決して静かなのが嫌いなわけじゃないが・・
少佐といて、余り静かになる時が無かったから・・・・・少し違和感がする。


・・・・・・イラッ


 
ぁあっ!もう何だか逆に集中できない!

もういい!少佐に何か話しかけて―・・



・・・あれ?




・・・・・俺、どんな事を言えば良いんだ・・?


話題が・・・浮かばない・・・


そうか・・どうでもいい話は、いつも少佐の一言からだった。


駄目だ浮かばない。

この雰囲気は嫌なのに・・


 「・・・・っ」


どうしよう・・ハハッ考えすぎだ、たかが話の種が生み出せないくらいで・・・・・頭が痛い・・・




…グルぐるぐるグるぐルグる



できない
できない
できない
できない

できないでキない

できないできない…







出来ない!




 「・・・ッハ」


気持ちが悪くなり、頭を抑えた・・


 「コナツ!!」



・・気付くと、少佐がそばに来て体を支えてくれていた・・


 「・・ぁハハ、大丈夫です。けど、すいません少し別室で休んできます・・」


 「じゃあ、ついてくよ」


 「結構です。少佐は仕事をしていて下さい・・溜まりまくってるでしょう・・・」


 「・・・駄目だ。ついていく」

 

少佐は俺を揺るぎ無い瞳で見つめながら言った。


 「―ちょ、そんなこと言って・・またサボるきですか?・・・俺、ホント大丈夫ですから・・少し疲れたんです。・・なんで構わなくていいです」


 「違う!心配してるんだ!!」




 ・・・・・・・・。








・・・気付いていた。分かっていた。






―ただ、恥ずかしくて・・・




...うれしくて




はぐらかしたかった....。






少佐に面と向かって言われて、恥ずかしく、目を逸らす

すると、急に担ぎ上げられた。
見ると、少佐が俺を担ぎ走っていた・・

 「・・っちょ!少佐!何やってるんですか!?俺はクロユリ中佐じゃないんですよ!?」



叫ぶ俺の声に、少佐は全く耳を貸そうとしない


 「・・・っつ!」


何てことだ!こんなっ・・・恥ずかしすぎる!


恥ずかしさから手で顔を覆った


手で触れた顔は、とても熱かった・・







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