オリジナル

□空と地の間に・・悪魔
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 「・・いってきまーっす」


今日は晴れ、まったくの青空で雲が見えない

そんな中、太陽の光だけが青を白く変えていた。 


・・・っ気持ち良いー!


空を見上げながら、心の中で、誰の耳にも届かないように感情を吐き散らす


・・良い空だ〜っ




 (ガチャッ)

 「?・・おい聖也?どーしたよ、ついに頭がいっちまったかぁ」


向かいのクリーム色で洋風な造りの家から、スポーツ少年系の顔の長身ヤロー=祐士が出てきた


 「ハッちげーよ!ほら、とっとと行くぞ。」





 こいつには空が好きだとか、景色見るんが好きだとか言った事が無い・・

 つーか隠してる。


 こんなこと、普通のこの時期の日本男児なら絶対『興味ねぇ』だとか『どーでもいいっしょ』とか言って見もしないもんだし!

 ばれたら、ぜってー趣味暗いって言われるし!





話をごまかしながら、早く行こうとうながす。



荷物を担ぎなおし、朝の冷たい空気の中を歩いた



         ◆


学校へ着くと、早々におかしな光景が目に飛び込んできた。


皆の通行道、校門に猫の着ぐるみ集団がいた。

何かの宣伝をしているようで、それぞれ肩から文字の書かれたタスキを下げている。
そこいらを通る生徒たちを一人残らず捕まえて、それぞれにビラを配っているようだった。


大勢のラブリーな人間並ビッグ猫集団を前に、進むのをためらう

しかし、そんなことはお構いなしの祐士がどんどん進んでいったから、仕方なく平常を装いあとに続いた。





校門の右端にいるラブリー猫ちゃんの背後を通り、校内に入ろうとしたとき・・・。

 「ちょぉっとまった〜!」



ラブリーな外見に似つかわしくない完璧バストーンの男の声を発する着ぐるみが、俺らの行く道に立ち止まった


 「何でしょうか?」


祐士が答える。

ラブリー猫ちゃんは意外と大きく、威圧感たっぷりだった


 「<I LОVE 自然>同好会です。会員募集してます。」


ラブリー猫ちゃんの目的は会員集めか。
納得だ。

他と同じようにビラを貰った。


活動目的は『自然を感じ、愛でること』だそうだ。

興味をそそられる。が、祐士(=周り)はどう思うんだろうか・・・・

不安の中祐士を見ると・・・・・・?祐士の体は震えていた。



っと、急に祐士が顔を上げ・・・

 
 「ぅわ!いいじゃんこれっ!なぁ聖也!入ろーぜ!」

・・大声で思いもよらない事を言い出した


 「・・・・へ?」

何だって?・・一緒に入ろう?・・・・・嘘だろ?

これまで十数年付き合い続けてきて、こいつが空とか、山とかに興味を示した事なんて、一度も無かったんだぞ?


 「だめか?」

祐士が再度問いかけてくる・・。
マジだ。


 「いやっ別に・・・俺も興味あるし・・全然構わないけど・・・・・・」


 「よしっ。じゃぁ猫、2人入会だ。名前は―・・」


・・・・なぜだ?祐士のことはわかんねぇけど




・・・・・なんか。スッゲェわくわくしてきたぁ!










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