◆短編小説◆
□口笛吹けば
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きらきらした風が吹く。
ベンチに座る俺の髪を揺らして去って行く。
その風はどこへ行くんだろうか。
日吉くんの所にも行くのだろうか。
...最近、頭の中には日吉くんのことしかなくて、
何を考える時も日吉くんに結び付けてしまう。
そんな自分に嫌気がさしてくる。
別に日吉くんへの想いに嫌気はささない。
男同士でも好きなものは好き。
でも...
いつも後悔するばかりだから嫌だ。
いつもいつも、
あの頃に日吉くんに想いを伝えればよかったって、
思わずにはいられない。