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□いっぽずつ
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「おい、早くしろ…」
腕を組み怒りを浮かべた彼に、わたしは手を合わせ謝罪をする。
「ごめんなさい」
「…なにを笑っている」
あ、しまった。
彼の容姿に思わず笑みを浮かべた瞬間を、バッチリ見られてしまった。
慌てて誤解を解こうと苦笑しながら彼へ伸ばした手。
「えっ」
突然グっと引かれ、お互いときが、一瞬止まったように思えた。
「…隙だらけだ」
腕をおさえつけられ、彼の意地悪な表情に、わたしの心臓はバクハツ寸前。
「あの。ベジータさん…」
カァッと頬が赤くなった瞬間。
―-っ!?
顎をクイッと指で上げられ、今までしたことのないような、濃厚な大人のキス。
あ、ベジータさんの顔、少しだけ赤くなってる。
もしかして、わたしたちのファーストキスだって今ごろ気づいた?
END
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