青色緋色の錬金術師
□大佐と少女
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「中尉の知り合いスか?」
とりあえず、隣に居るホークアイに訊いてみるが
「いいえ」
返ってきたのは[否]だった
ではこの子は誰なのだろう?
その答えとなるものは、ロイの口から出された
「レイ!?」
ホークアイとハボックは突然聞こえた上司の声に振り返る
「…大佐、お知り合いで?」
歩み寄ってくるロイに、ホークアイが訊ねる
「知り合いも何も、レイは私の妹だ」
「「妹!!?」」
予想しえなかった答えに、二人は思わず素頓狂な声を上げた
「まじッスかァ!!?
この嬢ちゃんが? 大佐の?」
「何だ、何か言いたそうだな、ハボック少尉
レイ、そんな所に居ないで中に入りなさい」
「イーエ、別に…」
少女の手を引き、自分を睨むロイに、ハボックは両手を上げヒラヒラと動かした
「あんな奴は相手にしない方がいいぞ、レイ
よーく覚えておきなさい」
「うわ、ひでー言い方」
「それよりレイ…
今夜の食事の約束なんだが…ちょっと無理みたいだ
許しておくれ」
「‥‥(うわぁ、デートの相手…妹だったんかい)」
腰を屈め目線の高さを少女に合わせ、少女の髪を撫でる自分の上司を見て、ハボックは思わず煙草を落としそうになる
「…それで‥‥
大佐の妹さんが、こんな所に何の用で?」
咳払いを一つし、ホークアイがロイとハボックの会話を遮った