青色緋色の錬金術師
□大佐と少女
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「名前で呼んでくれていいわ、レイちゃん」
「俺も、名前でいいぜ、嬢ちゃん」
「はい! ではそう呼ばせて頂きますね
リザさん、ジャンさん」
「…おい」
一人置き去りにされていたロイが、三人の会話を止めた
「私を差し措いて三人だけで盛り上がるんじゃない
レイは私に会いに来てくれたんだ」
ロイは[私に]を強調して言った
どうやら部下二人に嫉妬(?)していた様だ
「あ、そうだ」
レイが何か思い出した様に声を発した
「お兄様、今日もお仕事で帰れないのでしょう?
簡単なものばかりだけど…お弁当作って持ってきたの」
食べてくれる?、とレイは首を傾げ言い、弁当箱をロイに差し出す
「勿論だよ」
ロイは受け取り蓋を開く
「おぉ、流石レイの作った食事、どれも美味そうだな
では、早速──」
「いただきまーす」
ロイより先に手を伸ばしそれを口にしたのは、ハボックだった
「なっ!!」
「おお!こりゃ美味い!!
やるなぁ、嬢ちゃん」
「‥‥ハボック少尉…レイが私の為に作ってきてくれた弁当を…」
悪怯れもせず親指の腹をペロリと舐めるハボックを、ロイは睨み付ける
‥‥が…
「褒めて下さってありがとうございます
あ、もし宜しかったら…もう少し如何ですか?」