青色緋色の錬金術師
□大佐と少女
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「おっ、いいのかい?」
「はい、お兄様一人じゃちょっと多い量ですし…お嫌じゃなければ」
「ンな訳ないだろー
さんきゅ、嬢ちゃん」
レイの頭をぐしゃぐしゃと撫で回すハボックにえへへ、と笑い「リザさんもどうですか?」と続けた
「じゃあ…折角だから、頂こうかしら」
ホークアイは一品手に取り、それを自分の口に運んだ
「うん、とっても美味しいわ」
滅多に笑わないホークアイが笑顔で言うのだから、間違いはないだろう
「お兄様、どう?
美味しい? それとも…」
「何を言うんだレイ、美味しいに決まっているだろう
何と言ってもレイが私の為に作ったんだからな!」
心底嬉しそうに笑うレイと、そんなレイの頭を撫でるロイ
それを見てハボックはホークアイに言った
「…大佐ってシスコンだったんスね」
「…そうね…」
「大佐と嬢ちゃんって結構年齢離れてそう‥‥って言うか──全然似てないッスよね」
「えぇ…大佐の代りにレイちゃんが此処に居てくれればいいのに…」
「…否定出来ないのが哀しいッスよ、俺」
──コンコンッ
「失礼します」
ノック音と共に部屋に入ってきたのはケイン=フュリー曹長だった
「大佐、この資料に……
ぁあーーーーッ!!!!」
フュリーは持っていた書類をバサバサと床に落とした
「何だフュリー曹長、騒がしいぞ」
フュリーは構わずレイを指差した