青色緋色の錬金術師
□大佐と少女
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「た、た、大佐の隣の子…!」
「レイがどうかしたのか?」
「まっ、町で有名なお医者さんじゃあないですか!!
大佐っ、どう云う御関係で…!!?」
「‥‥フュリー曹長…」
ふうっ、と息を吐き、ロイは言った
「フュリー曹長、私の名は知っているだろう?」
「何を言うんです?
ロイ=マスタング大佐でしょう」
「では、この子の名は知っているか?」
「勿論ですよ、有名なんですから!
名は確かレイ=マスタング──
‥‥あ、あれ? マスタング…?
…って…まさか…大佐の…」
「そう云う事だ」
「大佐の娘さんッッ!!?」
「…」
フュリーの言葉に、ハボックは苦笑してフュリーに言った
「違う違う、曹長
妹だとよ」
「え…えええーーーー!!!!」
フュリーは再び大声を上げる
そんなフュリーにクスクスと笑い、レイは言った
「はい、妹です」
「ふわぁ……
に、似てない…ですね」
「こらこら曹長
本当の事を言っちゃあいかんよ」
「……どう云う意味だ」
不機嫌そうな声を出すロイを余所に、レイはフュリーに話掛ける
「改めまして、初めまして
レイ=マスタングです
宜しくお願いしますね」
「あ…ぼ、僕はケイン=フュリーです
地位は曹長です
よ、宜しく…」
二人が握手を交すと、ロイはそれに嫉妬し、わざと話を逸らしてレイの注目を自分に向けさせた
「……マ、マスタング大佐って…
シスコンだったんですか…?」
「みたいだぜ」
「…て、言うより妹さん居たんですね‥‥」
「えぇ、しかもあんな可愛い子が」
「…まさかレイさんだなんてぇ…」
「……そーいや曹長」
「何です? ハボック少尉」
「嬢ちゃんさ、町でどう有名なんだ?」
「あ、それはですね
可愛い、若いのに有能…
‥‥それから…」
「それから?」
「変わった通り名があるらしいんです」
「変わった通り名? 嬢ちゃんに?」
「ハイ…」
「一体レイちゃんにどんな通り名が…?」
「それは──」
ロイと話すレイの耳元で、キラリと水晶が輝いた