青色緋色の錬金術師
□護衛と抱擁
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「い、一緒にって」
「エドワードその腕じゃ不便でしょう。またいつ先刻の人が襲ってくるか分からないし」
「レイ此処の医者だろ。仕事どうすんだよ」
「んー、医者っていってもね、訪ねて来る人がそう言ってるだけで、まあ当たり前だけど免許も正式な診療所も無いの。だから大丈夫。皆には暫く旅行に行ってますって言えば」
エドワードは困惑した。来てくれるなら、正直な所嬉しい。この数日間でレイの評判は街の人からこれでもかと言う程聞いていたし、軍にもある程度顔が利く。それは東部だけだとは思われるが、しかし「東部のマスタングの身内」だと言えば他所でも通ずる可能性は充分にある
しかし、満身創痍の自分達と行けば──満身創痍だからこそ、レイは一緒に行くと言っているのだが──危険な目に遇うのは確実だろう
「……駄目だ」
沈黙を破ったのはロイだった
レイはそちらを振り返る。その顔は不満そうだ
「どうして? この怪我じゃ二人で行くんじゃ危ないよ」
「護衛なら軍から出す。君は軍人でも国家錬金術師でもない、一般人だ」