青色緋色の錬金術師

□少年達と少女
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「此処‥だよな」
「…うん」

大きな屋敷の前に、影二つ
金髪を三つ編みにした少年と、青銅色の中身の無い甲冑
名を、エドワード=エルリック
そしてアルフォンス=エルリックと云った
エドワードは小さな紙切れをヒラヒラと泳がせた
この屋敷までの地図

「俺達が元の身体に戻る鍵が…」
「うん、まさか東部の‥軍にこんなに近い場所にあったなんて‥ね…」

辺りはもう暗い
星達が瞬きを繰り返す時間
月が二人の姿を照らした

「…行くぞ」

覚悟を決めた少年は、紙切れをぐしゃりと握り

「…うん」

そしてその手で戸を叩く

──コンコンッ

『どうぞ』

中からの返事
二人は顔を見合わせ、頷く
そして静かに扉を開けた
中には返事の主であろう少女が椅子に腰掛けていた
彼女は二人を見、微笑みを向ける

「いらっしゃい
 エドワード=エルリックさん
 アルフォンス=エルリックさん」
「「!!?」」

二人は驚きを隠せない
少女とは確かに初対面だ
まだ名乗ってもいない
では何故、彼女は名を口にしたのだろう

「『どうして俺達の名前を?』って云う顔ね
 驚かせてごめんなさいね?」

少女がニコッと笑って言うのを見て、エドワードはハッとした

「あ、あの…此処に医者のレイって人が居るって聞いたんだけど…」
「そ、そう
 僕達、レイさんに会いに…」
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