黒と茶の幻想

□これが、
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「フェーイータン!」
「煩いよ、間延びした呼び方するな
 …何か用か」
「遊ぼ!」
「誰がお前と遊ぶか
 大体お前十八だろ、遊ぶ歳と違うね」
「今は四歳だよ」
「屁理屈ね、普段餓鬼扱いすると怒るくせに
 …暇なら団長にでも抱かれて喘いでればいいね」
「酷い!そんな事言うなんて出会って早々負けた事まだ根に持ってるの」
「煩いな、ワタシ負けてないね! …餓鬼だと思て手加減してやただけ!」
「負け惜しみにしか聞こえないよフェイタン、可愛い!」
「煩い言てるよ、黙るね 殺されたいか! ワタシの前から消えろ!」
「…判ったよー、」

負けた事にも、可愛いと言われる事にも、馴々しい態度にも、
全部に苛付くけれど

「あ、シャルナーク、遊んでー!」

他人の名を口にされる事が、何よりも癪に触る
この感情の原因は何だ?

「……その口、縫い合わせてやるか」

嗚呼でもそうしたら

「フェイタン、なんか言ったー?」
「何も言てないね、早く行け!」

ワタシの名前も、呼んで貰えなくなる

(こんなの、ワタシらしくない)




これが、




恋愛感情と云うものなのか

(きっと、そんなんじゃない)

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