青色緋色の錬金術師

□護衛と抱擁
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ロイの言葉にレイは益々不満そうな表情を深める
ロイは構わず続けた

「この件に関して君は部外者だ。私の言っている事は分かるね?」
「私だって錬金術師よ。今は二人に治療の依頼を受けてる最中だし」
「こんな時だけ仕事ぶるのはやめなさい。先刻自分で言っていたろう、君は医者じゃない。お医者さんごっこなら他の子供達とするんだな」

そんな言い方、とエドワードは叫びかけたが、隣のヒューズが素早く口を塞いだ
横目で見上げるとヒューズは首を振る
──そうか、行かせたくないから、こんな言い方してるのか。エドワードはロイの真意を察し、小さくヒューズに頷いてみせた。覆われていた口が解放される

「だって、お兄様」
「だってじゃない。このまま行かせて仮に君に何かあったら軍の責任になる。私の首をどうにかしたいのか?」
「そんな訳あるはずないでしょう!」
「だったら我儘を言って困らせないでくれ。これは軍の問題だ」
「でも、だって!」
「レイ。何度も言わせるな。君は部外者だ。本来ならこの場に居る事だって──」
「だってあの人の眼は赤かったの!」

ビクリとしてロイが固まった。無論、大声に驚いた訳ではない
レイは僅かに息を荒げている
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