青色緋色の錬金術師
□シチューと牛乳
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「何してるのさ兄さん」
と、背後──正確には頭上からアルフォンスの声がしたかと思うと、次の瞬間には、目的の皿は彼の手により難無く棚から出ていった
「レイ。はい、お皿」
「ありがとー、アルフォンス」
本来なら自分が掛けられる筈だった言葉をその場で硬直したまま、エドワードは聞く
そして直後、
「アルフォンスぅぅぅぅ!!!!」
──キレた
「うわっ! 何だよ突然」
「おまっ、お前という奴はっ!!」
「だって兄さん届かないじゃないか」
「お前がデカ過ぎるんだよ! 俺が背ぇ高くないみたいな言い方すんな!!」
「あーはいはいごめんなさーい。レイの役に立とうとして失敗した兄さーん」
「なっ、アル!!!!」
「はーいはい、ご飯ご飯!」
慣れているのか、エドワードをひょいひょいとかわし、アルフォンスはテーブルへ向かい、食事を並べるレイを手伝う
「あ、シチュー!」
テーブル上の皿から立ち上る湯気と香りに、エドワードは打って変わって目を輝かせた
「もう食べてもいい?」
席に着きシチューを目の前にエドワードが尋ねる