◆ガンダムシリーズ◆

□懇願
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「急に呼び出すなんて、一体どういうつもりだ?」
とあるホテルの一室で、アムロはシャアに問い掛けた。二人が顔を合わせるのは実に数年ぶりのことだ。
「久し振りにアムロの顔が見たくなってな…」
「はぐらかさずに答えろ!」
平然とした態度の彼にアムロは苛立ちを隠せない。
ただでさえ、地球連邦軍のエースパイロットとネオ・ジオンの総帥が密会をしているなどと知れたら、軍法会議モノだ。その危険を承知で、アムロは今日ここへ来ている。
「ならば単刀直入に言おう」
そう言うと、シャアは真剣な眼差しでアムロに近付き、後ろの壁に手をつきながら彼の耳元で囁いた。
「アムロ……私の所へ来い」
「なっ…!?」
突然の申し出にアムロも言葉を詰まらせる。
「お前が地球という鳥籠の中へ閉じ込められているのが、私には耐えられないのだ」
愛おしむようにシャアの手が頬を撫でる。同時に、どことなく黒い思念がアムロに伝わってきた。
「この広い宇宙(そら)へ還っておいで。地球の引力に魂を引かれる前に――」
「……だからと言って、地球を壊して良いのか?」
「アムロ!?」
自らの思惑が微かに伝わってしまったことに、シャアは少し焦りを感じた。
「確かに、宇宙に身を置くことによって人類の可能性は広がるかもしれない。しかし元を辿れば、人類が宇宙へ進出できたのは今まで生命(いのち)を育んできた地球があったからこそだ。その地球をないがしろにすることなど、俺には出来ない」
「だが…地球に居る者達は、自分達が宇宙をも支配している気になっている。所詮、井の中の蛙共には身をもって思い知らせてやらねばならないのだ!」
「人類はまだ、そこまで落ちぶれちゃいない!それは単なる貴様のエゴだ!」
二人の間に重い沈黙が流れる。
(アムロ…。やはりお前は……)
一瞬、シャアの瞳が悲しむような、憐れむような視線を送ってきた気がした。
「……どうしても、私を拒むつもりか?」
「その考え方が変わらない限りな」
もはや二度と、互いに分かり合うことはないだろう…。シャアは静かにそう悟った。
「ならば、致し方ない…」
すると、シャアは突然アムロの唇を塞いだ。強引に歯列を割って侵入し、素早く舌を絡め取る。
「んっ……ちゅ……ふぅ…」
舌先を吸われ、頬の内側、上顎まで舐め回される。両手は壁に押し付けられて抵抗もままならない。飲みきれない唾液が口の端から漏れて顎を伝った。
ひとしきりアムロを味わうと、シャアは唇を離した。二人の潤んだ口元を銀糸が結び、たわんで途切れる。
酸素を求めて喘ぐアムロにシャアは呟いた。
「心が星に引かれたままなら、せめてその体だけでも繋ぎとめておこう…」
どろどろとした劣情という名のプレッシャーがアムロの全身にまとわりつく。しかし、彼はそこから逃れようとはしなかった。
「どうせ、タダで帰れるとは思ってなかったさ…」
赤き総帥の陰った口元が、淫魔な笑みを称えていた。

  *

熱のこもった吐息が、薄暗い寝室の静寂を少しずつ溶かしていく。床には乱雑に脱ぎ捨てられた衣服がベッドを囲むように散らばり、その上で、激しくも密やかに愛の営みが行われていた。
「はぁ……はぁ……っ!」
シャアはアムロの乳頭を舌先で転がしながら、もう片方のソレを指でつまみ、こねるように愛撫する。時々吸い上げてやると、アムロがビクッと身体を震わせて甘い吐息を漏らした。
「相変わらず素直で感じやすい、良い身体だ」
「……そんないやらしいセリフをあっさり言ってしまう、貴様も相変わらずだな」
シャアは微笑を浮かべて再びアムロの胸に顔を埋めた。
(ぴちゃ……ぴちゃ……ちゅるん)
わざと淫らな音を響かせるように、たっぷりと唾液で濡れた舌で執拗に舐め回す。
「…あ…はぁ……あ…あ…ん……」
すると、おもむろにアムロの腰が揺れ始めた。
「おや?私のお腹をつついている、この固いモノは何かな?」
シャアは少し体を浮かせ、勃ち上がりかけたアムロの中心を握り込んだ。
「やっ……ああ!」
アムロが体を震わせた途端、亀頭の先端からじわりとカウパーが滲み出る。
シャアはそのまま、アムロの肉棒を扱き始めた。
(……チュ……キチュ……クチュクチュ…)
一定の速度と力加減で手を動かすと、アムロの先端から次々と透明な粘液が漏れ出す。それを竿全体に塗り込めながら、滑らかな手触りをじっくり堪能する。
「あ……いや……」
快楽に溺れつつも、アムロは僅かに残った理性と羞恥心からシャアを拒む。しかし、それが逆に彼の興奮を煽ってしまった。
「嫌?私の手をこんなに濡らしておいて…。嘘はいけないな」
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