◆その他版権モノ◆

□モノローグ
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時がきた。アダムの元へ還る時が……。
そのために、僕は生まれてきたのだから――。

  *

夜。静かな夜。一人きりの夜。
星。光る星。消えていく星。
月。まるい月。白き月。黒き月。
……リリス?
歌。リリンが生み出したモノ。心癒やすモノ。
涙。流れるモノ。胸をしめつけるモノ。
心。誰もが持っているモノ。形のないモノ。通じ合わないモノ。
……ひとつになりたい?
『碇くんとひとつになりたい』
それが「好き」ってこと?
僕はひとつになりたい?
誰と?
碇シンジ君――。
僕はひとつになりたい?
彼とひとつになりたい?
『君とは友達にならない』
碇シンジ君。
『好きじゃない』
僕はひとつになりたい。
君とひとつになりたい。
「碇……シンジ…くん…」
触れ合いたい。唇を重ねたい。失いたくない。
僕は――。
「……っ!」
手のひらに残された証。白い証。「好き」という証。
「碇シンジ君……」
君は僕をどう思っているの?

  *

黒き月の前で第三の少年はネコを捕らえる。
ネコは抵抗することはしない。
ただ自らの運命に従い、逆らうのみ。
そして――。
少年は祈るように両手を握った。
-END-
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