◆コラボ◆

□バッグス・バーナビー
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猟師タイガー・ファッドは森の奥深くへとウサギ狩りにやって来た。
「今夜のおかずは可愛い可愛いウサギちゃんだー♪……と思ったが、いくら探しても全然見つからねえ…。一体どこにいるんだ?」
そこへひょっこり現れた冷静沈着、頭脳明晰、大胆不敵なバッグス・バーナビー。余裕しゃくしゃくとニンジンをかじりながらタイガーに近付く。
「(ボリ…ボリ…ボリ…)どうかしましたか、オジサン?」
「しー!ウサギ探してるんだ。あんまり大きな音立てるなよ」
「ああ、そうですか(カリ…ボリ…ボリ…ボリ…)」
目の前に肝心のエモノがいることにまったく気付かず、タイガーは辺りをキョロキョロと見回す。
「ねえ、オジサン。ウサギってどんな生き物なんですか?」
「お前、ウサギ見たことないのか?ウサギってのはな、こう長〜い耳があって……」
「こんな耳ですか?」
バーナビーは自慢の長い耳を見せつけた。
「そうそう。そんでフワフワしたシッポがあってだな……」
「こんなシッポですか?」
バーナビーは自慢のフワフワしたシッポを見せつけた。
「そうそう!そんでピョンピョン飛び跳ねるんだ」
「こんな風に?」
バーナビーは自慢の脚でロケットのように空高くジャンプしてみせた。みるみる小さくなっていく彼の影を目で追いながら、タイガーはしばし考える。
「……あれ?ひょっとして、アイツが俺の探してる“ウサギちゃん”ってやつじゃないのか?ん?」
オジサンはTVの前のよい子たちにこっそり話し掛けた。
やがて、上空200mから帰還してきたバーナビーを単刀直入に問いただす。
「なあ…。お前ひょっとして、ウサギちゃんじゃないの?」
「…………」
すると、彼はおもむろに右手の人差し指を折り曲げて手招きした。
「ちょっといいですか?」
「……?」
不思議そうに顔を寄せるタイガー。
「ここだけの話です。誰にも言わないで下さい……」
周囲を注意深く見回し、バーナビーはタイガーの肩へ腕を回した。
「あのですね……実を言いますと……」
吐息がかかるほど近くでそっと囁く。
「貴方の探してる可愛い可愛いウサギちゃんは、僕なんですよ?」
直後、突然タイガーの頬に両手を添えて真正面から唇を塞いだ。
(チュウウウウウウウウ……ポンッ!)
熱烈なディープキスに唖然とする猟師さん。そんな彼をからかうように、ウサギちゃんはいたずらっぽく微笑みかける。
「それじゃあ。“ウサギ狩り”頑張って下さいね、オジサン♪」
再びニンジンをかじりながら去って行くバーナビー。茫然自失のタイガーは一人、森の中でポツンと立ち尽くしていた。

  *

「……という企画があるんだけど、やってみない?」
「アホかぁー!!?なんで俺がバニーちゃんと熱〜いキッスしなきゃなんないんだよ!?」
「あら?小さなお子さんから大きいお友達までゲットできて、貴方たちの人気も倍増するかもよ?」
「ふざけんな!!人気よりも自分の貞操が大事だ!!」
「もう上からの許可はとってあるから、あとは撮影頑張ってね♪」
「ヒーローに拒否権は無ぇのか!!?」
「……僕は構いませんけど?(ボソッ…)」
アニエス・ジュベールより送り込まれる容赦ない番組企画。果たして、虎徹とバーナビーはこの危機を乗り越えられるのか!?

-つづかない-
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