◆妄想の扉◆

□妄想の限りなき増殖
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「ねぇ聞いて、シャン!あたし、将来は海賊王のお嫁さんになるの!」
「なんだそれ?海賊王にはならないのか?」
「だって、海賊王になるのはシャンでしょ?だからあたし、将来はシャンのお嫁さんになる!」
「ハハッ!そいつはいい。だったら、この私をどこまでも追いかけてこい、ルフィ!」

女性版ルフィと女性版シャンクス(通称:赤毛のシャン)の会話。しかもGL。ルフィは天真爛漫なカワイイ女の子。シャンは長髪に姉御肌な大人の女性。
やがてグランドラインへと旅立ったシャンを追いかけて、ルフィの壮大な冒険が幕を開ける。
(2010/05/23)



夏の日差しがサンサンと降り注ぐ穏やかな昼下がり。海辺で水着になって遊ぶルフィとシャン。
砂浜で白い貝殻を見つけたルフィは、大喜びでシャンに見せに行く。
「ねえ、見て!シャン!キレイな貝殻!」
「本当だ。真っ白で綺麗だな」
シャンは棒を使って砂に何か書いていた。
「あら?シャンったら何をしているの?」
「…ん?これ?ちょっとしたお遊びさ」
シャンは手をどけた。砂に描かれていたのはハート。そのハートの中に並んで書かれたルフィとシャンの名前。
「まあ!シャンったら、いけない人!」
ルフィは顔を真っ赤にして目を逸らした。
「クスッ…。ねえ、嘘でもいいから“嬉しい”って言ってよ、ルフィ…」
シャンが肩に触れようとした瞬間、ルフィは立ち上がって一目散に海へと走って行った。砂浜に落とした貝殻を拾い上げ、シャンはその背中を微笑ましく見送った。
海に飛び込んだルフィはしばらく泳いだ後、波に体を預けながらぽつりと呟く。
「……嬉しい」
仰ぎ見た太陽の眩しさに目を細めた。
(2011/02/19)
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