◆妄想の扉◆

□扉の向こう側(3)
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朝はまず、手早く身支度を済ませ、鏡の中に居るおれと対面する。自慢の髪型を手櫛で整え、愛用のアイマスクを被れば“おれ”の完成だ。
――今朝の気分はどうだ?
鏡の中のおれと、無言という名の会話を楽しむ。今日もお互い睡眠不足だ。
……さて。そろそろズボンを履こうか。

朝は一杯のブラックコーヒーから始まる。厳選された豆(インスタント)をおれ流にブレンドし、ゆっくりとお湯を注ぐ。
煎れたてのコーヒーは色も香りも……微妙。
おれは僅かな不安を、首を傾げることで振るい落とし、コーヒーらしい飲み物を口に含んだ。舌に広がるのは壮大な宇宙……というかカオス。
直後、ソレは白い霧となっておれの唇から解き放たれた。
「なんじゃこりゃア!?」
「青雉(あおきじ)!!朝から松田優作ゴッコはやめんか!!」
「ぶわっはっはっはっはっ!!」
「ガープ!元はと言えば貴様が『探偵物語』を観せたのが原因だろう!?」
今朝も海軍本部は平和である。



……「なんじゃこりゃア!?」はGパン刑事(デカ)ですよね?
ガープが青雉に『探偵物語』を観せたところ、青雉が松田優作ゴッコに目覚めたようです。それを毎日叱りつけるセンゴク、哀れ……。
いや、ホント『探偵物語』のOPはカッコイイの一言に尽きます!
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