04/24の日記

20:34
一角獣を追え! 〜木の上の女の子編〜
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ようやく探し当てた一本の高い木を見上げてみると、そこには確かに一人の女の子が座っていた。
「居た!あの子がそうかな?」
「下からでは様子がよく分かりませんね…」
「よし!お前ら、オレサマの肩に乗れ!一気に上まで行くぞ!」
おいらとソーセージを乗せると、メルクリウスは自分の体を大きくした(彼は体の大きさを自由に変えられるらしい。そうしないとガラス瓶の中に入れないから)。おいら達はあっという間に、女の子が居る高さと同じ位置に達した。
女の子はわき目もふらず熱心にシャツを縫っていた。傍らには菊の花が入った籠と、すでに縫い終わったシャツが二枚置いてある。おいら達には気付いていないみたいだ。
「こんにちは…」
おいらが声を掛けてみると、女の子は手を止めて顔を上げた。目が合った瞬間、女の子は息を呑んで慌てて口元を押さえた。今にも金切り声を上げそうな雰囲気だけど、なぜか彼女は必死に声を出さまいと努めている。
「驚かせてゴメン!けど、おいら達は決してあんたを酷い目に遭わせるつもりはないんだ!」
「ご心配なく!ワタシ達は怪しいモノではありません!ショジョを求めて森の中をさ迷っていただけです!」
「おい!お前はショジョなのか!?ハッキリ言えよ!」
女の子の表情は恐怖でより引きつってしまった。無理もない。小人と喋るソーセージと巨大な怪物が目の前に現れれば、誰だってそうなる。おまけに処女を求めているとあっては、怪しい以外の何モノでもない。
「困りましたね…。すっかり怯えてしまいました」
「面倒くせえ!このまま無理矢理つれて行くぞ!!」
「いや、ダメだよメルクリウス!?」
早々としびれを切らしたメルクリウスが女の子に手を伸ばした瞬間、彼女の周りを囲むように六羽の白鳥が舞い降りた。

(記入者:ルシュティル)

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