09/07の日記

15:06
一角獣を追え! 〜メルクリウスVS一角獣編〜
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一角獣はメルクリウスに突進していった。その鋭い一本角で突かれたら、流石のメルクリウスもひとたまりもない。
「危ないですよ、怪物さん!早く避けて下さい!」
「バカ言え!避けたら勝負にならねえだろ!?」
メルクリウスは再び正面から一角獣の角を掴んだ。しかし、一角獣は怯むことなく、掴まれた角をそのまま更に押し進めてくる。
「危ない!!」
おいらが叫んだ時には手遅れだった。螺旋状の角は手の平をすり抜けて、メルクリウスの右脇腹を突き刺した。
「ぐ…っ!大した馬鹿力じゃねえか!」
メルクリウスが足で蹴り上げようとしたけど、一角獣は素早く後ろに退いて距離をおく。角の尖端に真っ赤な血がこびり付いているのが見えた。
「やばいよ…メルクリウス……。早く絆創膏で傷を治して!!」
「へっ!こんなモンかすり傷だ!!」
再び一角獣が突進してくる。メルクリウスはなおも正面から攻撃を受け止めた。
両者一歩も譲らず、激しい力のぶつかり合いは一瞬たりとも気の抜けない膠着(こうちゃく)状態が続いている。
「どうしよう…。いくら怪力自慢のメルクリウスでも、このままだとやられちゃうよ!」
「小人さん。弱音を吐いてはいけません!怪物さんの力を信じるのです!」
「でも、相手は同じ怪物だし……」
「ワタシ達にできることは、ただひたすら怪物さんを信じることです!ワタシ達が信じるのをやめたら、怪物さんは本当にやられてしまいますよ!!」
「…………」
おいらもソーセージも、こんな体では一角獣に太刀打ちすることなんて絶対にできない。だからこそ、メルクリウスの勝利を信じ続けるしかないんだ。
「そうだね!おいらもメルクリウスを信じるよ!」
「怪物さーん!そんな一角獣はケチョンケチョンにしてやって下さーい!!」
「いけぇー!メルクリウスー!!」
おいら達の声援は、端から見ればとても小さい。メルクリウスも応える余裕が無くなってきている。
けれど、おいら達の心は確かに一つになっていた――おいらは不思議とそう思えた。

(記入者:ルシュティル)

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