09/13の日記

21:31
一角獣を追え! 〜一角獣の弱点?編〜
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ソーセージと一緒にメルクリウスを応援していたその時、女の子が背後からおいらの肩を叩いてきた。
「なに?どうしたの?」
振り返ると、女の子は自分の右目を指差した。彼女は一言も口をきいてはいけないため、自分の意思を伝えるにはジェスチャーをするしかない。
「目?目がどうかしたの?」
女の子は首を横に振った。
今度は自分の右目を指差した後、別の方向を示した。彼女の人差し指が示す先へ目を向けると、原っぱの中央で取っ組み合いを続けているメルクリウスの背中が見える。
「メルクリウスの目がどうかしたの?」
しかし、女の子は再び首を横に振って、もう一度右目とメルクリウスが居る方向を指差した。
おいらは目を凝らしてじっと観察してみる。背中を向けていたメルクリウスが左回りに動いて、一角獣の顔が見えた。金色の瞳は綺麗だけど、なんとなく背筋がゾクッとする。
今度は右回りに動いた。両者が睨み合いながら、激しく力をぶつけ合っている様子がよく分かる。
その時、おいらはあることに気が付いた。
「一角獣の右目……メルクリウスの方を向いていない」
普通、人間も動物も何かを見る時は瞳が動くはずだ。一角獣の左目は確かに、瞳がしっかりとメルクリウスの方を向いていた。しかし、右目の瞳はまったく動いていない。
「もしかして、一角獣は右目が見えていない――そう言いたかったの?」
念のため確認すると、女の子は頷いた。
一角獣は右側が死角になっている。これはチャンスだ!

(記入者:ルシュティル)

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