10/06の日記

17:07
一角獣を追え! 〜形勢逆転編〜
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おいらはすぐさま、メルクリウスに一角獣の弱点を伝えた。
「メルクリウスー!一角獣は右目が見えていないんだ!右側から攻撃して!」
「なにぃっ!?そいつはホントか!?」
取っ組み合いを続けていたメルクリウスも目を凝らして確認する。確かに、一角獣の右目には光が宿っていなかった。
「あっ!ホントだ!こいつ、右目を盲(めしい)ていやがる!……よーし、みてろよ!!」
メルクリウスは両腕に力を込めて、一角獣をおもいっきり投げ飛ばした。さすが豪腕を誇るだけあって、その怪力ぶりは衰えることを知らない。
ふと、隣に居るソーセージが感心した様子でおいらに話し掛けてきた。
「小人さん。一角獣の右目が見えていないなんて、よく気が付きましたね?」
「女の子が指摘してくれたんだよ。とにかく、これでメルクリウスが有利になればいいけど……」
「大丈夫です!弱点が知れた一角獣なんて、飛んで火に入る真冬のポップコーンも同然です!!」
「…………」
相変わらず、食物の例えはよく分からなかった。
その時、メルクリウスが一角獣の死角に回り込んで一気に突進した。すかさず、横転した一角獣の上へ馬乗りになる。
「あっ!一角獣を押さえた!?」
「いいですよ、怪物さーん!そのまま三枚におろしちゃって下さい!!」
右目を上にして倒れた一角獣は周囲を把握しにくいのか、鳴き声で威嚇しながら必死に一本角を振り回す。
「こらっ!暴れんな!!」
メルクリウスは一本角を掴んだ。一角獣はなおも手足をばたつかせて抵抗しようとするが、もはや勝負は決まったようなものだった。

(記入者:ルシュティル)

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