10/10の日記

15:54
一角獣を追え! 〜帰還編〜(前記)
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なんでもござれが去った後、一角獣を追っていたメルクリウスが戻ってきた。
「あっ!メルクリウスだ!」
「無事だったのですね、怪物さん!やはりワタシが見込んだ通り、怪物さんは転んでも怪我をしない(“転んでもタダでは起きない”という言葉を色々と間違えて覚えてしまったらしい…)素晴らしい人です!!」
「だから、オレサマは人じゃねえって……」
どうしたことか、メルクリウスは先程までの剣幕が嘘のようにガックリと肩を落としている。
「一角獣はどうしたの?」
「逃げられちまったよ…。ったく、あんなに骨のあるヤツはなかなかお目にかかれないってのに…。勿体無ぇなあ……」
とても残念そうに呟くメルクリウス。彼は同じ怪物である一角獣に対して、何か闘争心以上の特別な感情を抱いていたのかもしれない。
「元気出しなよ、メルクリウス!とりあえず、みんな無事で良かったじゃないか!」
「そうですよ、怪物さん!まあ…確かに退治できなかったのは残念ですが、これに懲りて一角獣もしばらくの間、姿を現さなくなるかもしれません。赤ずきんさんにはワタシの方からしっかりと、今回の具勇伝と共に事情を説明しておきましょう!」
おいらとソーセージは、今日一番の働き者を精一杯励ましてあげた。

(つづく)

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15:53
一角獣を追え! 〜帰還編〜(後記)
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すると、女の子もメルクリウスの手を両手で握って、深くお辞儀をした。一言も口をきいたり、笑ったりしてはいけない彼女なりの、精一杯のお礼なのかもしれない。
「ほら。妹さんもとても感謝されていますよ!」
「メルクリウスが居なかったら、おいら達本当にダメだったかもしれないんだからね!」
おいら達の励ましにメルクリウスも少し元気を取り戻したのか、小さくはにかんでみせた。
「よせよ…。なんだか照れるじゃねえか……」
「怪物さん…。照れた顔が、なんだか気持ち悪いですね……」
「なんでいきなり冷静な目でオレサマを見るんだよ!?」
「クスッ…。それじゃあ、女の子を木の上まで送って、おいら達も帰ろうよ!」
「おっ!?よしきた!お前ら、オレサマの肩に乗れ!!」
おいら達は女の子を元居た場所へ送った後、帰路についた。
帰ったらご主人様に今回の出来事を報告すると同時に、動物の言葉が分かるようになったこの耳を元に戻す方法がないか相談してみよう。

(記入者:ルシュティル)



〜メモ〜
この日記を読んだ方へ。一秒でもいいから、女の子のために祈ってあげて下さい。六人のお兄さんが無事に人間の姿へ戻れるように……。

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