◇逆転SS

□運命のヒト
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成歩堂事務所内、デスクワークに勤しむ所長と回りをちょこまかと動き回る助手件副所長のペア。



「それにしてもさー。ヤッパリさんてやっぱりすごいよねー」

「…すごいの意味がチガウようだけど」

「そうだね。あたしの言うスゴいは立派って意味じゃないよ。うん、確かに!」

(言われてるぞ!矢張)


「だってさー、こないだまで『リカこそ、俺の運命のヒトだっっ!』って言っていたのに、結局…」

「ミスコンを目指すためにフランスへ旅立たれた」

「そうそう。で、『リカとは終わった!が、俺のホントの運命のヒトはユカだーっ!』て付き合い始めたはいいけど…」

「海外青年協力隊を志願してジンバブエへ旅立たれた」

「うんうん。で、今は『リカでもユカでもなくチカこそが俺の運命のヒトっ』って盛り上がっているしね」

「…今度はモルジブ辺りにでも行かれそうだね」

「あは、なるほどくんも言うねー。けどさ、」

「けど、何?」


「運命のヒトってそんなにすぐ分かるモノなのかな?」

「運命の人?」

「そ、出会った時にピーンとか分かるモノなのかな?」

「真宵ちゃんには、そういう相手がいるの?」

「えっ!?あ、あたしは…」

「どうなの?」

「と、トノサマンかな!?」

「…」

「な、何?」

「まあ、真宵ちゃんらしくていんじゃない?」

(薄く笑ってる!なるほどくん、バカにしてるな!)

「じゃ、じゃあ、なるほどくんは、どうなの?」

「僕?」

「そ、なるほどくんの運命のヒトって…………何?」

「え」

「その『異議あり』ポーズは?!」

「や、これは…」

「なるほどくんは運命のヒトなんていないと言いたいのーっ?」


もーっ知らないっ!

と言いながら、隣の部屋へ真宵ちゃんは行ってしまった。



『異議あり』ポーズじゃなくて…、

「君」

って、指さしたつもりなんだけど…。


「ま、いっか」


追及は焦らず気長に。




end

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