◇逆転SS

□sweet&sweet
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「はい、真宵ちゃん、これ出張のお土産」

「お!ご当地とのさまんじうだねっ。さっすが、なるほどくん。あたしの好みもばっちりだね☆」

僕のお土産を手にした真宵ちゃんはきゃいきゃいと、はしゃいでいる。

「…悩んだけど、それで正解だったみたいだね。お土産」

「悩んだの?何と」

「うーん、どうやらそこでは定番らしいチョコレート菓子があってね。それと、これ」

と、とのさまんじうを指差す。

「…どっちにしようかすごく迷ったんだよねー。あ、ちなみに御剣は狩魔冥へのお土産を定番にしてたみたいだけど」

「ふーん?で、そのていばんみやげって何て言うの?」


「…“黒い恋人たち”って言うんだけどね」


…何でも、あまりにも有名な北海道のソレに対抗して作られたらしいが、(日焼けしたカップルをイメージしたらしい)
…黒はないだろう!
と、つっこみを入れられたが思いの外ブラックチョコレートの味がなかなかのものらしく、それなりに売れている…らしい。


「……恋人かぁ」




何だ?
真宵ちゃん、いきなりテンションが下がってきたぞ?



「どうかしたの?」

「へ?」

「おまんじゅう食べないの?」

「あ、そ、そーだね!お茶入れるね!お茶!」


(『あたし一人でコレ食べるんだからねーっ!』って真宵ちゃんが言わないなんて!)

(おかしい…)

(味のチョイスを間違えたのか…?)

(でも、さつまいも味とカニみそ味ならさつまいもだろう普通は!)

(敢えての冒険でカニみそ味がよかったのか?!)

(好物が好物なだけに!)



そのまま僕は、馬鹿馬鹿しいと思いつつも真剣にまんじゅうの味について考えていた。


そして「お茶を入れてくる」と言った真宵ちゃんは、結局、こちらの部屋に戻ってこなかった。



……そんなにまんじゅうに不満があったのだろうか?




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