◇拍手文倉庫
□キラキラ光る
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いつもの不思議探索という名の団活動。
僕のお相手は長門さんです。
「…長門さん、今日も図書館へ行かれますか?」
(プルプル)
「今日は別」
「では、どちらへ?」
すっと長門さんが指を指したその先には、細い路地がありました。
「気づきませんでしたね」
「私も先週、気づいた」
2人で歩を進め、道を抜けると、そこには一軒の小さなお店がありました。
「これは骨董品屋でしょうか?」
古びたとは言え使い込まれた家具や食器などがところせましと並んでいます。
どうやら主は席をはずしているようです。
「そこ」
長門さんの声の先を見ると一台の小さなオルガンが目に入りました。
「『ご自由にお弾きください』と書いてありますね」
「古泉一樹、弾いて」
「ぼ、僕は『猫ふんじゃった』くらいしか…」
長門さんが「じーっ」と
見つめてきます。ちょっとプレッシャーですね。
「あ」
一曲、弾けそうな曲を思い付きました。
鍵盤に、ぎこちない指を這わせます。
〜ド・ド・
ソ・ソ
・ラ・ラ・ソ〜♪
キラキラ光る
お空の星よ
まばたきしてはみんなを
見てる
キラキラ光る
お空の星よ
「キラキラ星です」
「………」
「気に入りましたか?」
(コクリ)
「…私も弾く」
長門さんの故郷の歌。
気に入ってもらえてよかったです。
end