◇SOS団・SS
□お洒落は足元が基本ですA
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いつもの放課後
部室内
「どうしたの?」
気付くと長門さんの視線が僕の足元に注がれている。
「何か?」
「貴方の靴下、左右違う」
「…あ」
「普段、身だしなみに気を配る貴方には珍しい」
「そんなこともないんですけどね。穴が空いているのを気付かずに履いていたこともありますし。わりとズボラなところもあると思いますよ」
「そう。『彼』の場合は何回か発見したことがある。貴方の履き違いは…」
「初めて」
やはり、彼には目敏いのですね。
けれど、長門さんに僕のことも気付いてもらえたのは…
ちょっと嬉しいですね。
「今朝は少し、動揺するようなことがありまして。
うっかりしてしまったのかもしれません」
「対涼宮ハルヒへのルーチンワーク?」
「ああ、閉鎖空間ではないのですよ」
「?」
「その、見た夢がですね」
「夢?」
「ええと、出ていらしたんです」
「…何?」
「貴女が出てきたんです」
僕の夢に長門さん。
朝から嬉しすぎて、
つい靴下を履き間違えてしまいました。
end