◇SOS団・SS

□薔薇とばらとバラの日々
1ページ/3ページ




今、SOS団内には薔薇と呼ばれる花の束がある。


涼宮ハルヒ曰く、
「花屋のおじさんからもらった」
だが、

彼は、
「せしめてきたんだろう」と、涼宮ハルヒの言い分には懐疑的だ。


朝比奈みくるは、主に桃色がメインな花束を抱えると心底嬉しそうに、

「うわぁキレイ!さっそくお部屋に飾りますね〜」

と、花瓶を探しに出かけて行った。

花束を抱えた朝比奈みくるだが、一瞬いつもより11.5%ほど、所謂萌えキャラポイントが上がった。



そして朝比奈みくるが花瓶を探しに行く1分程前―

古泉一樹は彼女にこう言った。


「花束を持つメイドと言うのもよろしいものですね。お似合いですよ。朝比奈さん」

朝比奈みくるは軽く頬を染めていた。

彼は古泉一樹の斜め後ろで腕を組み大きく頷いており、涼宮ハルヒは、
「あったりまえよ!あたしがもらってきたんだからね」
と、腰に手をあてポーズをとっていた。


…?
上記の彼らの行動より、何故か微量のエラーが生じた。
原因は?



花瓶に移し変えられた薔薇を凝視してみる。

そんな私を見て、
「長門さん、薔薇はお気に召しましたか?」
と、古泉一樹が訪ねてきた。


「興味深い」


と、私は微量のエラーについては隠蔽したまま返答した。



薔薇の花が置かれてからの団内の様子だが、どうやら校庭などに生えている雑草類とは異なり、薔薇には手入れが必要な模様。

毎日、朝比奈みくるが花瓶の水を取り替えている。


涼宮ハルヒ、彼は眺めているだけだが、

古泉一樹は、たまにそっと花弁をなで、刺のある茎に注意を払っている。



/////////

「い、いゃああぁ〜」


お茶汲みに加え水の入れ替えが日常業務と課した朝比奈みくるの声が、団内に響き渡る。


 
「どうし」たの!?た!ました?


涼宮ハルヒ、彼、古泉一樹が一斉に朝比奈みくるに駆け寄る。


「ば、薔薇にむ、むむ虫がぁ〜〜」


朝比奈みくるの手元の薔薇を見ると、確かに茎の辺りに小さな塊が蠢いている。

「キョン、何とかしなさいよ!」


「何とかったってなぁ」


「…大丈夫ですよ。朝比奈さん」


古泉一樹が朝比奈みくるより花瓶を譲り受ける。


「僕が手入れをしますよ」



……………………(エラー発生?)



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ