◇SOS団・SS

□野球選手が夢でした
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「いかがでしたか?ルーキー/ズのDVDは?」

「興味深かった」

「長門さんは、どのような点が気になりましたか?」

「何故、生徒達は普通に『野球がしたい』と言わないの?」

「そこですか!」


「教師を取り巻く生徒らのデモンストレーションは全て『野球がやりたい』ことへの裏返し。何故、彼らはわざとトラブルへ導かれるような行動をとるのか?」

「うーん、それはですねぇ……『素直じゃないから』ってことがひとつ…とあとひとつは…」

「何?」


「『信頼できる相手かどうかを試している』ってことですかね?」

「信頼できる相手?」

「裏切られたら怖い。けどこんな自分だけど、本気なら追ってこい!とでも言いましょうか…」

「素直に言えば済む。何故?」

「解りやすい例で言うなら『涼宮さん』と『彼』のスタンスのようなものですよ」

「……成程」


「お互いの好意を感じながらも素直になれない、行動は真逆で感情をコントロールできない。そんな『涼宮さん』と『彼』ですが、」

「トラブルを解決すると信頼度が増している」

「つまり、そういうことです」

「理解した」


長門さんは大きく頷いていました。



「野球はチームプレーが重要です」

「そこは経験により理解済み」

「僕も長門さんも朝比奈さんも様々な思惑を秘め、涼宮さんと彼のキャッチボールを見守っています」

「…例えがユニーク」


「時にボールが僕らに向かって飛んで来ることがあります。その時に、もしキャッチしきれなくても、他のメンバーがキャッチしてくれる。と思えることが、所謂信頼関係…」

「それがチームプレー?」

「僕なりの解釈ですがね」

「そう」






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