◇SOS団・SS
□野球選手が夢でした
1ページ/2ページ
「いかがでしたか?ルーキー/ズのDVDは?」
「興味深かった」
「長門さんは、どのような点が気になりましたか?」
「何故、生徒達は普通に『野球がしたい』と言わないの?」
「そこですか!」
「教師を取り巻く生徒らのデモンストレーションは全て『野球がやりたい』ことへの裏返し。何故、彼らはわざとトラブルへ導かれるような行動をとるのか?」
「うーん、それはですねぇ……『素直じゃないから』ってことがひとつ…とあとひとつは…」
「何?」
「『信頼できる相手かどうかを試している』ってことですかね?」
「信頼できる相手?」
「裏切られたら怖い。けどこんな自分だけど、本気なら追ってこい!とでも言いましょうか…」
「素直に言えば済む。何故?」
「解りやすい例で言うなら『涼宮さん』と『彼』のスタンスのようなものですよ」
「……成程」
「お互いの好意を感じながらも素直になれない、行動は真逆で感情をコントロールできない。そんな『涼宮さん』と『彼』ですが、」
「トラブルを解決すると信頼度が増している」
「つまり、そういうことです」
「理解した」
長門さんは大きく頷いていました。
「野球はチームプレーが重要です」
「そこは経験により理解済み」
「僕も長門さんも朝比奈さんも様々な思惑を秘め、涼宮さんと彼のキャッチボールを見守っています」
「…例えがユニーク」
「時にボールが僕らに向かって飛んで来ることがあります。その時に、もしキャッチしきれなくても、他のメンバーがキャッチしてくれる。と思えることが、所謂信頼関係…」
「それがチームプレー?」
「僕なりの解釈ですがね」
「そう」