◇SOS団・SS
□confession
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休みも明けて無事に新学期も始まりました。
学期が始まってからのすぐすぐの連休とは嬉しいものです。
涼宮さんの不思議探索の呼び出しも特にはなく(…キョン氏と2人デートフラグなら万々歳なのですが)連休の初日は開館しているようなので、今日は久しぶりに図書館へと来てみました。
図書館の何とも言えない静けさは割りと心が落ち着きます。
特にここの図書館はジャンルも幅広く貴重な本も発見できるので、僕の数少ない癒しの場の一つになっています。
それと、
もう一つ、
ここの図書館がお気に入りな理由があります。
それは…
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「こんにちは」
「…」
アッシュヘアーの小柄な少女に小声で挨拶をします。
「長門さん、今日はいらしていたのですね?」
「…」
返事の代わりに、ジッと見つめられた後、軽く頷かれました。
「今日は何をお探しなのですか?」
「………」
返事がありません。
読みたい作品について無言であったことはないので、ちょっと凹みます。
が、こんなことでメゲていてはコミュニケーションをはかれません!
再度、問いかけてみます。
「本日の目的は何ですか?」
「…………………」
今度もスルーされてしまいました。
いくら何でも少し変ですね。
そう言えば、今日の彼女はどことなく違和感があります。
「……長門さん?」
……………………ヘクチ!
「く、くしゃみをしましたか?」
「…」(コクリ)
「ま、まさか風邪ですか?しかし、貴女が風邪をひくなんてことは……」
「本来はあり得ない。もし原因として考えられるとしたら、シャワーの温度調節機能が壊れたため、ここ連日は冷水で身体を洗っていた」
「…零下の夜もありましたよね?」
「私自身の体温を上げればよいだけのこと。しかし、」
「しかし?」
「…どうやら昨夜は体温調節をしそびれ、冷水のみを浴びてしまった模様…」
「……昨夜も零下でしたね」
「迂闊………」
「………長門さんっ!」
ふらりと揺れかけた小柄な少女を、床に倒れこむ前に何とかキャッチできました。
額に手を充ててみます。
…どうやら熱もあるようです。
思案したのは一瞬で、気付いたら、彼女を背負って駆けていました。