◇SOS団・SS
□夏草や兵どもが何とやら
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「そうね!最初はそれでいいわ」
そんな訳でSOS団内、俳句大会?が行われることになった。
「さ、みんな!ちゃっちゃと作りなさい!制限時間は最初だし、10分あげるわ!ちなみに季語は今にちなんで夏のものよ!」
〜10分経過〜///
「10分たったわね!じゃ、まずみくるちゃんから」
「え?!わ、私から…ですかぁ。は、恥ずかしいですけど」
『夏の夜 金魚すくいと、貴方の手』
「いいじゃない!みくるちゃん!ちょっと青春ぽすぎるけど、夏って感じするわ」
えへ、と桜色に頬を染める朝比奈さんは確かに夏の風物詩に入れても夏も文句は言わないだろう。
「じゃ、次は有希!」
『かき氷、アイスクリーム、餡蜜も』
全部、食い物てのが長門が長門たるゆえんか?!
「確かに涼しそうではありますね」
「美味しそうですぅ」
「…有希、確かに夏らしいけど単語並べればいいってもんじゃないのよ。ま、有希だからいいけど」
「そう」
「んじゃ次、キョン!」
お、俺か?!
まずいさっぱり思い付かん。
五・七・五で心情を吐露なんていかんせんモノローグだけでもこんな量な俺には無理だ!
「キョン!早くしなさい!」
ビシリと指差すハルヒに向かって、
『ああいやだ、めんどうくさい、はよ終われ』
「…確かに五・七・五ではありますがね」
「キョ、キョンくぅーん。だ、ダメですよぅ」
朝比奈さんに言われるまでもなく、目の前には凄い表情のハルヒがいた。
「ちょっとキョン!真面目にやんなさいよっ!!」
「真面目にってな!元々俺はこういうの苦手なんだよ」
や、ちょっとはネタとして通じるかな?なんて思いもあったわけだが、今のハルヒには通用しなかったらしい。
うう、まずった。
「まあまあ、涼宮さん。恐らく彼にしたら苦し紛れだったのでしょうし、僕が一つ彼の代打で彼の心情に添うってことでいかがでしょうか?」
古泉?助かった!
が…何だ?!あいつのあの笑顔は。
「古泉君が?キョンの代理?まぁいいわ。聞いてあげる」
「ありがとうございます。では」
『ああハルヒ、ポニテのハルヒ、最高だ』
…………!!
「ああ松島や、を参考にしたんですけど、おや、お2人ともどうされたんですか?」
「…ポニーテールは季語じゃねぇ」
「そうですか」
「そうよ、古泉くん、季語がないから失格よ!…二人とも今日は退散しなさい!!」
廊下に佇む俺と古泉。
「涼宮さん、顔、真っ赤でしたね?ご覧になりましたか?」
「うるせー、余計なことしやがって」
「ま、僕は急な仕事を極力減らしたいわけですよ」