◇SOS団・SS

□幸福論 typeβ(素敵イラスト付…椛様より)
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/////////////typeβstory


「………ん、」

「…はわっ、き、気付かれましたかぁ?」

「こ、ここは…?」


ずきずきする頭を抑え、辺りを見渡します。

「…海岸?」

「そ、そうです。貴方の乗っていた船は昨晩、転覆したのですぅ」

「貴女が助けてくれたのですか…?」

「え!えーと、そのあたしは通りすがりに…発見しただけです…けど…」

「そうなんですか?」

「ええ、あ、お迎えの人が来ました。あたし、行きますね!さよなら…」


王子様…!


……?!
今、何て?

「おお!イツキ王子、ご無事でしたか」

何だか見覚えのある、銀髪が似合う壮年の紳士が僕の前に現れました。

「…王子?」

「どうしたのです?さては頭でも打たれましたか?!」

アラカワンと名乗る紳士は、どうやら僕の従者とのことでした。

…僕が王子?
何だかすごく付に落ちないのですが、妙にヒラヒラしたようなブラウスや、やや膨らんだズボンにタイツなどの装飾で、納得せざるを得ませんでした。

何しろ、自分の名前さえ、よく覚えていないのですから…。

アラカワンは誠実そのものに見えましたし、僕をよく知るようだったので、とりあえず、頭を打って記憶が曖昧な振りをして、僕自身についての情報を引き出しました。

どうやら、僕はここ、ノースハイランドと呼ばれる国の王子らしい。ということ。昨晩は船が転覆して、大変な騒ぎとなり、今の今まで僕の探索が続けられていた、ということ。


「本当に、助かって何よりです…」

「…ひどい嵐だった」

「思い出されたのですか?!」


アラカワンと喋っていくうちに僕の中で段々と記憶が蘇ってきました。


「…確か、僕は溺れかけて…」

誰かが僕を岸まで運んでくれたような…気がします。
白く浮かび上がる華奢な手…。
…彼女は?


「ささ、とりあえずは、お城にお戻りください。お妃様と王様もご心配されてますゆえ…」


そして、僕は従者に支えてもらいながら「お城」へと向かうことになりました。



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