短編小説

□許されない恋なら
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名前を呼ばれる事が特別だなんてこと、僕は知らなかったんだ。


「古泉。」
僕を呼ぶ彼の声は世界で一番綺麗でくすぐったい。
彼は神の鍵で、その上僕と同じ男で。
きっとこの世で一番、禁じられた恋。
僕が彼に惹かれた理由なんてわからないけど、いつしか彼は僕の中の一番になっていて。
気付いた時にはもう遅かった。
「古泉?」
何だお前、ぼーっとして。熱でもあんのか?
僕の額に手を当てる彼の顔が近い。
僕の中で鳴り響く鼓動が彼に聞こえてしまったらどうしよう。そう、思うほど。
「いえ、少し考え事をしていたもので。」
そう言って苦笑すると彼は
「そうか。でももし辛いならあんま無理すんなよ。」
そう言って少し眉間にしわを寄せる彼が愛しくて。

許されない恋なら、せめて望んでもいいですか。
少しでも多く彼が僕のことを考えていてくれますように。
一度でも多く彼が僕の名前を呼んでくれますように。





思い詰める片思いいっちゃんも好きだ(`・ω・´)←

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