短編小説

□懐かしい味
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頭がぼんやりする。僕は寝てたのか?
何かいい匂いがする。
それに、腹部に少し重みを感じる。小さな寝息も。
…あぁ、そうか。彼が来てくれたんだった。
いつの間にか額に冷却シートが貼ってある。
洗濯までしてくれたのか。
世話をかけてしまった事への申し訳なさと、面倒見のいい彼に対する愛しさが湧きあがる。
起こしてしまわないようにそっと上体を起こし、暫く寝顔を見つめていると彼は目を覚ました。
「悪い、俺寝ちまってた?粥作ったから!」
わたわたとキッチンに入って行く背中に、何だか幸せな気持ちになる。

「ほら、熱いから気をつけて食えよ。」
「ありがとうございます。」
ふぅ、と息を吹いて彼特製のお粥を口に運ぶ。
お粥なんて久しぶりで、なんだか懐かしい気分になった。
「おいしいです。」
「…そうかよ。」
照れてそっぽを向く彼の耳は、熱のある僕ときっと同じくらい赤いのだった。






何となく続編w
横で寝ちゃってるキョンが書きたかっただけ(^ω^)←

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